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もう一人、彼を愛していた女性がいたとしたら・・・韓国ドラマ「美しき日々」にハマった、私の創作文です。かなりムリのある展開・設定になっています。ドラマの美しき日々しかダメな方は読まないで下さいね。
by chiroparo
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長い夜…


こんばんは^^ chiroparoです。
今回も、少し前に書いていた本編とは別のStoryです。。。
前の記事と今回、”Another story”として書いていますが…
また良かったら、非公開でもOKです。感想を聞かせてくださね。


★☆。.:*:・"゚★。.:*:・"☆★☆★☆。.:*:・"゚★。.:*:・"☆★☆★☆。.:*:・"゚★。.:*:・★☆




電話がかかってくるかも…もしかしたら来てくれるかもしれない…

そんな当てのない期待で、過ごす夜が続く。

彼は忙しい人。
仕事中心の生活をしている。
そして仕事をしている彼を見ているのは好き。

…でもあの時、
「時間が空いたから…」と電話をくれた。
思わぬプレゼントをもらえた子供のように、はしゃいで彼と夜を過ごした。

それからの私は、何もかも犠牲にして彼を待つだけの日々になった。。。



携帯電話を手放せない…そんな毎日だった。
自分から電話すればいいのに、どうしてだか分からないけれど出来ない。

仕事で忙しくしているかもしれない。
自宅で休んでいるかもしれない。
誰か…別の女性(ひと)と、夜を過ごしているのかもしれない。
そう思うと、ボタンを押す手が途中で止まる。

彼は携帯のナンバーを教えてくれた。
それは…?
私から連絡してもいいってことだと思う…
でも自分に自信がもてない私は、どうしても彼に対して自分を卑下してしまう所がある。
ビクトリーでの彼は、御曹司という立場に甘んじることなく、自らの才能を生かして仕事をこなす。
音楽業界では、辣腕家として彼を知らない人はいないだろう。
そんな人と私が、どう考えてもつりあう訳もなく…
だから、私が彼からの連絡を待つしかないと…そう思っていた。

でも、そんな待つだけの人間になってしまうのが怖くて、私は努めて自分の時間を充実させるようにした。
友人と会ったり、スポーツジムに通ったり、図書館に行ったり、映画や演劇を見る。
少しでも、時間があると何か予定を入れるのが癖になりつつあった。

そんなある日、地方に転勤になっていた友人がソウルにやって来ることになった。
私の部屋に泊まらせて欲しいと、数日前に電話がかかってきていた。
少しだけ彼のことが気になったが、ここ何日かビクトリーでも顔さえ合わせることがなかった私は、無理に彼のことを頭の中から追い出した。

私は、部屋に荷物を置いた友人を連れ、何人かの友人達に連絡を取って食事に出かけた。
久しぶりに集まった、気の置けない友人達と囲んだ食事の席は、大いに盛り上がった。
職場の上司の悪口や恋愛話、最近失恋したという話、彼が浮気したと泣き出す友人。

「ねぇ、そう言えばジニョンは?最近どうなの?」
「えっ?」
突然、友人の1人から自分に話を向けられ戸惑った。
「ねぇねぇ、あんたのことも聞かせてよ。あの彼とは、ずいぶん前に別れたんでしょ?」
「そうそう、ひどいヤツだって、ジニョンから何回も聞かされたわ」
別の友人が言った。
「それで誰か、いい人見つかった?」
みんなの視線を一身に受けて…困ってしまった。本当に困ったわ。

私は脳裏に、彼のことを思い浮かべながら言った。
「…今、付き合ってる人はいないわ」
…ズキッと、今まで感じたことがないぐらいに胸が激しく痛んだ。
「じゃあ、好きな人とかは?いないの?」
「私にだって、好きな人ぐらいはいるけど…」
「誰?どんな人?どこの会社に勤めてるの?エリートなの?」
矢継ぎ早に問いただされた私は、上目遣いに友人達の顔を見ながら
「…秘密よ」と小声で言う。
「えぇ~~~!!」
一斉にブーイングの声が上がった。

「ちょっとぐらいいいんじゃない?散々、みんなの話を聞いたんだしさぁ」
「そうそう、何とか言いなさいよ」
「・・・・・・う~ん…」
そんな時…
「まぁまぁ…いいじゃない。ジニョンにも事情があるわよ、ねぇ、ジニョン?」
「うん…ごめん。本当にごめんね」
パパラッチもどきと化した友人達を止めてくれたのは、今夜部屋に泊める約束をしていたキム・ヒョジンだった。
彼女は学生時代から一番気が合う友人だった。
親友と言っていいのかもしれない。
でも、そう言わないのは彼女のこんな言葉からだった。

学生時代に、一緒に帰宅する途中の彼女が言った。
「ジニョン、私はあんたのこと好きよ。一番、私を理解してくれるし趣味も合うし…いい友達だと思ってる」
「…ヒョジン、突然どうしたのよ?」
「あんたもそう思ってるでしょ?」
「えぇ、もちろんよ。私も、ヒョジンのこと好きだわ」
彼女は、予想通りの私の言葉にウンウンと頷きながら続けた。
「それでね…私は、あんたとは魂で繋がっていたいわけよ」
「何?何だか大げさな話になりそうね…」
私は、噴出しそうになるのを堪えて真面目な表情を作った。

最近の彼女は、こんな感じで大げさに政治家の演説のような話し方をする。
「うるさいわね!黙って聞きなさい!…え~と、どこまで話したっけ?」
「魂で…でしょ」
「そうそう、魂よ!私はね、巷でよく言う親友なんて安っぽい言葉で、あんたのことを呼びたくないの!分かった?」
「うん…」
「私たちはね、親友じゃなくて『魂友』よ。いいわね?」
私の目を真剣な眼差しで見つめながら、彼女は力説した。
「分かったわ。『魂友』なのね… ねぇ、ヒョジン大好きよ」
彼女は、私の言葉に照れながらどんどん前を歩いていく。
「行くわよ!ジニョン」

その夜、友人達と別れて帰る途中、
「ちょっとジニョン、何をニヤニヤ笑ってるの?さっさと帰るわよ」
「えぇ?もう帰るの?私の『魂友』さん。もう一軒寄って行かない?」
「あんたったら、昔のことをまだ覚えてたの?あぁ、寒い…気持ち悪い、飲みすぎたかな…」
急に寒そうな仕草を見せて、呆れ顔のヒョジンが足早に歩き出した。

「ヒョジン、さっきはありがとうね。助かった…」
私はヒョジンと並んで歩きながら、お礼を言った。
「いいのよ。あんたのあの時の顔を見たら、この子はまただなあって呆れちゃったわよ」
「またって、何のこと?」
「あんた、またとんでもない男に引っかかってるんでしょ?分かってるのよ」
「とんでもない男…だなんて、そんなこと…」
「ほらほら!ちゃんと言えないってことが、その証拠でしょ?」
「うぅ~ん、言えなくもないっていうか…」
「いいのいいの。また言えるようになったらでいいわ。無理しないのよ」
「…うん、ありがと…」
「…で、あんたは今、幸せなの?」
「…幸せだと思うわ」
「ならいいのよ。あんたが幸せだと思ってるなら、何も言うことはないわ」
彼女の笑顔を見ていると、元気が沸いてくるようだった。

「ねぇヒョジン、明日は朝早いの?」
「うん、約束があるから7時には出ないと…夜も取材を何件か入れてるから、遅いと思うわ。先に寝てていいわよ」
「大変ねぇ…雑誌の記者って」
「あら、記者って言ってくれるの?でも、ちっちゃな雑誌社だからね。1人で何もかもこなせなきゃ、仕事にならないわ」
「ヒョジン、何だかカッコよくなったね」
「あんたに褒められてもねぇ…それに私は昔から、カッコいいのよ。知らなかったの?」
私はクスクス笑いながら、満更でもない表情の彼女と、家路を急いだ。

「熱いシャワーを浴びて、早く寝ようね!」
「うん、そうしよう!」
「あの子は、今どうしてるんだろうね?」
「ねぇ、ヒョジン…あの子って誰?」
「あの、モテモテだった男の子よ!名前は、シン…シンなんだっけ?」
ヒョジンとの会話は楽しい。
今夜は話し込んじゃって寝られないだろうな~
そんなことを考えながらエレベーターから降りると、私の部屋の前に人影が見えた。

ドキッ!

私の部屋のドアに、背中でもたれかかるように立っている人影。
「ねぇジニョン、誰かいるよ。あそこは、あんたの部屋じゃないの?」
「・・・・・・」
「ねぇ、ジニョン?」
振り返った私の表情を覗き込んで、彼女はすべてを察したようだった。

「ジニョン、聞いて」
私の瞳は、ドアの前に立つ人影に釘付けになったまま…
「ジニョン、部屋の鍵を出して」
「鍵?えぇ…いいわ。でも、どうするの?」
バッグから鍵を出して、ヒョジンに手渡した。
「私は、今夜あんたの部屋で寝るからよ」
「どういう…」
最後まで言葉を続けられないまま、ヒョジンが耳元で言う。
「私は、あんたの部屋で寝る。だからあんたは、あの彼とどこへでも行っちゃいなさい」
「でも・・・・・今夜は…」
「私はここに泊めてもらわないと困るの。ホテルに泊まったら会社から出たすずめの涙の出張費なんて、すぐに足が出ちゃうもの」
「私、ヒョジンと…」
「分かってるわよ。私とあんたは『魂友』って言ったでしょ?あんたが、私を置いて彼とどっかに行っちゃっても大丈夫。こんなことじゃ2人の友情は壊れたりしないんだから」
「…ヒョジン」
「さぁさぁ、行きなさいよ」
「…本当に、いいの?」
「いいのよ。その代わり、冷蔵庫が空っぽになってても私は知らないからね」
ヒョジンはウインクして見せながら、私の背中をグイッと押した。

私たちが近づくと、その人影が揺れた。
「ジニョン…おかえり」
室長は、私を見つめながらも後ろにいたヒョジンにも気がついた。

「友人の、キム・ヒョジンです」
ヒョジンは、一歩前に進み出てペコリと頭を下げた。
「はじめまして…イ・ミンチョルです」
彼は、艶やかに微笑む。
ヒョジンは、一瞬だけ彼に目を奪われたようだったが
「私は、この子の部屋に泊まるんですけど…ジニョンは、あなたと行きますから…」
「いいのかい?」
室長は、私とヒョジンを交互に見て聞いた。
「いいんです!私は、あと2日ここでお世話になるつもりですから。どうぞ、行ってください」
「…いいの?」
今度は、私だけを見つめて彼が問いかける。
「・・・・・・」
私は、戸惑いながらヒョジンを見つめた。

「じゃあ、2人ともおやすみなさい。明日の朝、早いんで失礼します」
室長にもう一度頭を下げてから、鍵を開け彼女はさっさと中に入ってしまった。

「彼女、良かったのかな?帰った方がいいなら…」
「…いいんです。たぶん…」
私の言葉に、彼は微笑んだ。
「室長…今夜は、どうして?」
「いろいろあってね…今夜は、どうしても君の顔が見たくなった」
…うれしい・・・・・

「寒くない?」
「いいえ…」
そう答えて彼の手を握ると、とても冷えていた。
「室長、いつから待ってたんですか?こんなに…」
こんなに冷たくなるまで…私を待っていてくれるなんて。
「ジニョン、食事は食べた?」
「えぇ…室長は?」
「まだだよ…」
「私、何だかお腹すいてきました。何を食べますか?」
どんどん幸せな気持ちになって、自然に笑みがこぼれてくる。

私たちは、彼の車に乗り込んだ。
室長は、私が膝の上に置いた手を包み込むように握り締め、じっと見つめた。
私は静かに目を閉じる。

彼の柔らかく甘い唇が、私の唇に重なる。
唇を離した彼に抱きしめられた。

「どこに行こうか?」
…あなたとなら…
「どこへでも…でも、まずは温かい食事をしましょうか?」
頷きながら、彼が私に微笑む。
彼に微笑み返しながら、私の胸は幸せがいっぱいであふれそうだった。

いつもの一人で過ごす長い夜も、こうして彼と過ごす幸せな夜も、どちらも大切にしたい…そう思えた夜だった。。。


長い夜…_f0013877_028138.jpg

by chiroparo | 2006-11-07 00:27 | 美日々Another story

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