人気ブログランキング | 話題のタグを見る

もう一人、彼を愛していた女性がいたとしたら・・・韓国ドラマ「美しき日々」にハマった、私の創作文です。かなりムリのある展開・設定になっています。ドラマの美しき日々しかダメな方は読まないで下さいね。
by chiroparo
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

彼(か)の地へ…


伯母に妊娠を告げてからの私は、毎日毎日悩んで泣いて暮らしていた。
…病気の伯母にまで、心配をかけて気をつかわせてしまっていた。

「ジニョン、顔色が悪いわ。ちゃんと食べられているの?」
「…つわりのせいで、食欲がなくて…」
「そうね、つらい時期なのよね?」
「あとで、ジョン先生が点滴をしましょうって言ってくれてるの。何度も、私が口に出来そうな食事を勧めてくれるし…伯父様も、いろんなところへ連れて行ってくれるけれど、どうしても食べ物の匂いがすると…気分が悪くなってしまって」
「そうなの…でも、少しでも何か食べないと…だめよ」
「えぇ…伯母様、心配をかけてごめんなさい。時期が来れば食べられるようになるはずよ。病気じゃないんだからそんなに心配しないで…」
私は両手で伯母の手を包みながら言った。

伯母はもう一方の手を、私の手に重ねる。
「私は…経験がないからアドバイスしてあげられないけれど…あなたのお母さんも、確かつわりが酷かったはずよ」




「そうなの?お母さんもそうだったの?」
「えぇ…でもつわりの辛さよりも、あなたがお腹にいることを喜んでいたの。あなたのお父さんもお母さんも、本当に幸せそうだったわ」
「私、お母さんとそんな話がしたかったな…」
「ジニョン・・・」
「ごめんなさい、伯母様」
「・・・・・・」
「でも、私には伯母様がいて下さるから…やっぱりパリに来て良かった」
伯母は、そう呟く私に寂しそうな微笑を見せた。

私は、この頃よくぼんやりしているらしい…
伯母や伯父だけでなく…看護士のマリーにも、ジョン医師にも指摘され心配をかけていた。

「ねぇジニョン、今日は、いい天気みたいね?」
「・・・・・・」
「ジニョン…?」
「・・・・・・」

私が自分の気持ちを決めかねて戸惑っている間にも、お腹の中では赤ちゃんが、どんどん育っている。
室長・・・・・・
私、この子を産みたいんです。
そんなことが、許されることじゃない事だって分かっています。
私は、夜ひとりきりで眠ると不安でたまらなくなる。
でもそんな時は、いつも夢の中にこの子が出て来て…そして、何も言わずに私を優しく包んでくれた…
この子に包まれていると…すごくあたたかくて、幸せな気持ちで眠れるから。

こんなにも優しいこの子を、産まないなんていう選択・・・私には出来るはずがないから。
許してくれますか?
誰にも室長とのことは言いません…
だから、この子と生きる道を選ぶこと、許してくれますか?


ふっと視線を感じて振り返ると、伯母が優しく微笑みかけてくれていた。
「伯母様・・・?」
「ジニョン、あなたは愛しているのね?お腹の赤ちゃんのパパのこと…」
「そんなこと…」
「いいえ、分かるのよ」
「・・・・・・」
「そうしているあなたの表情や体から伝わってくるの。だから私には、分かるのよ」
「…でも私は・・・・・・」

伯母は、固く手を握り締めて意を決したように話し始めた。
「・・・・・・ジニョン、すぐに韓国に帰りなさい」
「伯母様?どうしてそんなこと・・・」
「韓国に帰って、あなたの大切な人に、ちゃんと話しなさい。妊娠のことも、あなたの気持ちも…」
「でも、私はここにいたいの。伯母様のそばを離れるなんて…私にはできない。だから、韓国には帰りません」
「・・・・・・」
「伯母様、お願いだから…そんなこと、帰れだなんて私に言わないで」
私の言葉にも、しばらく伯母は口を開かなかった。

「・・・・・・ジニョン…また、後で話しましょう。少し、疲れたから休むわね」
深いため息をつきながらそう言って、伯母は私に背を向けてベッドに横になってしまった。
布団を掛け直しながら、伯母の気持ちを思う。
(伯母様、私のことを思ってくれているのよね?だから帰れだなんて…そんなことを言うんでしょう?…)

「伯母様、ゆっくり休んでね」
部屋を出て行くジニョンを、目を閉じたふりをしたミギョンが見つめていた。
(あの子の為なのよ、我慢できるでしょ?我慢できないはずがないわよね?愛しいジニョンが幸せになれるかどうか…そんな大切な事だもの)
ミギョンは、自分に言い聞かせるように呟く。
(例え、もう二度とジニョンに会えなくても…あの子は、もう十分私に幸せな時間をくれたんだもの)
ミギョンの瞳から涙が、あふれて止まらなかった。

ミギョンの部屋を出たジニョンは、あてもなく歩いていた。
「ジニョンさん!」
「ジョン先生…」
「体調はいかがですか?・・・ジニョンさん?どうしました?」
「…何でもないんです」
俯いて涙を拭うジニョンを、ジョン医師が優しい目で見下ろしていた。
「ジニョンさん、一緒にお茶でもいかがですか?」
戸惑いながら、ジニョンが顔を上げるとチャーミングなウインクを見せて、ジョン医師が微笑んでいた。

「ここのカフェ、結構いけるんですよ」
「あの・・・はい・・・」

ジョン医師の澄んだ瞳を見ていたら、何でも話せる気がして…
ジニョンは、ジョン医師と共にホスピスの中にあるカフェに向かって歩いて行った。
by chiroparo | 2007-01-11 11:01 | 美しき日々41

* My Link...

----------------------------- 
+ メールは、ココから...

+ 奴×3 韓国公式
+ Daum cafe

+ BH Entertainment
+ LBH JOFC
+ BH&RUBEURS
+ New Rubeurs


+ I know.You the one

+ Bitter sweet Life

+ 1358815246.mp3.wma

+ main[1].mp3


-----------------------------
+ Counter:

+ Now on-line:

-----------------------------



カテゴリ

全体
美しき日々1
美しき日々2
美しき日々3
美しき日々4
美しき日々5
美しき日々6
美しき日々7
美しき日々8
美しき日々9
美しき日々10
美しき日々11
美しき日々12
美しき日々13
美しき日々14
美しき日々15
美しき日々16
美しき日々17
美しき日々18
美しき日々19
美しき日々20
美しき日々21
美しき日々22
美しき日々23
美しき日々24
美しき日々25
美しき日々26
美しき日々27
美しき日々28
美しき日々29
美しき日々30
美しき日々31
美しき日々32
美しき日々33
美しき日々34
美しき日々35
美日々Another story
美日々
美しき日々36
美しき日々37
美しき日々38
美しき日々39
美しき日々40
美しき日々41
美しき日々42
美しき日々43
美しき日々44
美しき日々45
美しき日々46
美しき日々47
美しき日々48
美しき日々49
美しき日々50
美しき日々51
美しき日々52
美しき日々53
美しき日々54
美しき日々55
美しき日々56
美しき日々57
美しき日々58
美しき日々59
美しき日々60
美しき日々61
美しき日々62
美しき日々63
美しき日々64
美しき日々65
美しき日々66
美しき日々67
美しき日々68
美しき日々69
美しき日々70
Tubuyaki...
プチ創作「Rain」
プチ創作「Tell a lie」
プチ創作「Various ways」
Love in darkness
I meet you in ・・・
Current...
Event キリプレ
FilmTour2008
kioku
Event
生存報告(笑)

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

画像一覧