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もう一人、彼を愛していた女性がいたとしたら・・・韓国ドラマ「美しき日々」にハマった、私の創作文です。かなりムリのある展開・設定になっています。ドラマの美しき日々しかダメな方は読まないで下さいね。
by chiroparo
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Various ways...1


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2007年10月に、別室で書いたものです。
『甘い人生』を基に
思いつくまま・・・
chiroparoが綴った創作です。
本編に絡めながらも
別の物語と
受け取っていただける方だけ・・・
読んで下さいね。
再UPにあたり、一部加筆修正しました。









閉店後のひと時・・・

客たちのざわめきもなくなったテーブルで
ゆったりと過ごすのが、習慣になりつつあった。

そろそろ・・・
一番好きな、明けの明星が瞬く頃だ・・・


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「兄貴!・・・ソヌさん!!」

「ミンギ?どうした?そんなに慌てて・・・」

「あの・・・ユニさんが・・・」

「ん?ユニがどうした・・・」

「ユニさんが・・・ヒョクの兄貴を刺して・・・」

「!」

「そのまま・・・消えたそうです」

ミンギの視線が彷徨う。

その先を辿ると、さっきまで手にしていたはずのエスプレッソのカップが

足元をコロコロと転がっていった。


Various ways...1_f0013877_8391060.gif



いつまでも、埒の明かないミンギの話を理解することを諦めて

ソヌは、ホテルの総支配人の部屋を訪ねていた。

ヒョクは、ソヌの兄貴分であり・・この部屋の中にいる男の直属の部下だったから

この事件について、何か聞けるかもしれないと思ったからだ。

コンコンッ・・・

「入れ・・・」


ドアを開けると、決して趣味が良いとは言えない色彩の部屋が目に入る・・・

「失礼します・・・」

ソファに深く腰掛け、拳銃を手にした小太りな男、ソン・テギュが顔を上げた。

「あぁ・・・ソヌか?」

「お忙しいところ、すみません」

「いや・・・何か急ぎなんだろう?そう言えば・・・お前が仕切るようになってから
La Dolce Vitaの売り上げが、伸びたそうだな」

「はい・・・でも、私ひとりで成し遂げたことではありませんから・・・」

値踏みするように、視線を上下し頭から足先までなめるように見られて

不意に落ち着かない気持ちになった。

「さすが・・・カン社長が見込んだだけのことはある・・・」

「恐れ入ります・・・」

テギュの言うとおり、半年前からカン社長の命を受け、ソヌはホテル内のバー

La Dolce Vitaを任されていた。


自分を見上げる男の、氷のように冷たい・・・

それでいて、感情のない瞳に、突然、背後から首筋を掴まれたような・・・

どこか不気味な感触を覚えていた。


「どうした?俺に何の用だ?」

「あの・・・どういうことですか?ヒョクの兄貴が刺されたと聞きました。それは本当ですか?」

「・・・耳が早いな?」

「ついさっき・・・ミンギから聞きました」

「ミンギ?あぁ・・・お前の傍にいたな、あのチョコチョコ動き回る・・・若い奴の事か?」

「はい・・・もしも目障りでしたら、よく注意しておきます」

「いや・・・ああいう情報に通じているヤツも、必要だ・・・」

「はい・・・」

「ヒョクの話だったな?・・・アイツは、死んだよ」

「えっ?」

「腹を、メッタ刺しだったそうだ。発見した時には出血が酷くて、奴の周りは血の海だったらしい。もう手遅れだったんだろう・・・」

「・・・・・・」

「あの女が・・・ユニが、ヒョクを殺ったんだ・・・今、捜させている所だが・・・」

いつも冷静と言われているテギュが、突然声を荒げたことにソヌは驚いた。

「ユニはヒョクさんの・・・それなのに、どうして?」

「さぁな・・・痴情のもつれってやつじゃ・・・」

「失礼しました・・・」

「おい!ソヌ!!」

自分を呼ぶ声に振り向くこともなく、キム・ソヌは、ドアに体当たりするかのような勢いで
テギュの部屋を飛び出した。


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「兄貴!」

La Dolce Vitaに戻ろうとするソヌを見つけ、ミンギが駆け寄ってくる。

「ミンギ・・・何ヶ所か、あたりは付けてある。片っ端から電話するんだ。
何か分かったら、すぐ俺に連絡を・・・」

「えっ?兄貴は、どこへ?・・・」

「・・・忘れたのか?兄貴と呼ぶなと、言ってあるだろう?」

「はい、すみません・・・ソヌさんは、どこへ?」

「何となく嫌な予感がする・・・とりあえず俺は、ユニを捜す・・・」

「・・・でも?」

ソヌは、内ポケットに拳銃を差し込みながらミンギを見る。

「それ・・・ヒョヌの兄貴の敵討ちですか?」

「・・・・・・」


ソヌは、机の上の書類に、ざっと目を通したが、ミンギからの問いに答えることはなかった。

「・・・何か、分かったんですか?」

「いや、何も・・・」

「・・・・・・」

「・・・あぁ、ヒョヌさんは死んだそうだ・・・」

「えっ?」

ミンギは、驚愕の表情を浮かべたまま動かない。


その間も、ソヌは思い出そうとしていた。

ユニの言葉に、手がかりはなかったかと・・・

立ち寄りそうな所は?

確かな心当たりがあるわけでもないのに・・・

ただ、何か・・・蜘蛛の糸ほどの可能性を感じている自分が、不思議に思える。

今は、この胸騒ぎを鎮める術を捜したい・・・ただその一心だった。

ミンギが一歩下がり、ソヌに道をあける。

一旦、視線をミンギに向けてからソヌは歩き出した。


その足取りは、どんどん速くなっていく。

ソヌは、胸の中の微かな光を頼りにLa Dolce Vitaを飛び出して行った。


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by chiroparo | 2008-05-22 08:57 | プチ創作「Various ways」

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