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もう一人、彼を愛していた女性がいたとしたら・・・韓国ドラマ「美しき日々」にハマった、私の創作文です。かなりムリのある展開・設定になっています。ドラマの美しき日々しかダメな方は読まないで下さいね。
by chiroparo
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Various ways ... 11



Various ways ... 11_f0013877_14393366.gif2007年10月に、別室で書いたものです。
『甘い人生』を基に
思いつくまま・・・
chiroparoが綴った創作です。
本編に絡めながらも
別の物語と
受け取っていただける方だけ・・・
読んで下さい。

再UPにあたり、一部加筆修正しました。






心地良いぬくもりを・・・

しっかりと、この腕に抱きしめて眠ったはずだった。

数え切れないほどの、眠れぬ夜。

まんじりともせず、迎えた朝の震える寒さ・・・

その俺が、やっと凍えた心を寄せ合える存在に、出逢えた・・・

腕を伸ばして、そのぬくもりを手繰り寄せる・・・

「・・・!」

「ユニ・・・ユニ!?」


すり抜けていくぬくもりは、夢から目覚めた時・・・もう腕の中に無かった。


Various ways ... 11_f0013877_13121496.gif



ユニが消えた・・・?

ソヌは、サイドテーブルの上に畳まれた自分の服を見つけた。

彼女が畳んでおいたのだろう・・・

「ユニ・・・?」

慌てて服を身につけると、ホテルを飛び出していく。


まるで昨日に戻ったかのように、ソヌの周りを夕暮れが包んでいた。

「ユニ!!」

ユニを見つけてから、まる一日が過ぎていた。


Various ways ... 11_f0013877_13121496.gif



夢だったのか?

この腕に、やっと掴まえたと思っていたのは・・・?

いや・・・違う。

この体に纏っているのは、ユニの匂い。

腕の中で、戸惑い頬を染め、恥じらいながらも何度も昇りつめた・・・

ユニの・・・

甘く心震わす匂い・・・

触れるたびに、その体を微かに震わせていたユニ・・・

何度も互いを求め合ううち、いつしか・・・

カーテンの隙間から差し込む光は、夜が明けたことを告げていた。

しかし、どちらの口からも、二人の未来を想像させる言葉は出ることはない。


何かを口にすると、すべてが壊れてしまいそうで

ソヌ自身、恐れていたのかも知れない。


ただ、他愛も無い話に声をあげて笑うユニを見つめていたかった。

話すことがなくなると、またお互いの肌を求める。

何度求めても尽きない思いは、肌を重ねている瞬間だけ、悲劇的な未来を忘れさせた。

食べることも休むことも忘れて、ユニを抱くソヌは、心の片隅で畏れていたのだろうか。

手を離せば消えてしまいそうな、その手を握り細い体を抱きしめることで・・・

彼女の存在を確かめようとしていた。

絶え間なく襲う快感に、身悶えながら見上げてくるユニの瞳が愛しかった。

恥ずかしげに、シーツで顔を覆い・・・目元に笑みを浮かべている姿に胸が痛んだ。

「こんなになったの・・・初めてなの」

「みんな・・・こうなの?」

問いかけるユニは、いつも以上に幼い・・・

どんなに着飾って美しい姿よりも、なぜか一番ユニらしいと思えた。


Various ways ... 11_f0013877_13121496.gif



(ユニ・・・)

ソヌは、車を飛ばす。

迷うことなく、昨日の場所へと・・・

何度も求め合い、愛し合ったのに・・・まだ知らないことの方が多い。

そこに行くことしか、ソヌには思いつかなかった。

そんな自分が、悲しく悔しい。


Various ways ... 11_f0013877_13235418.jpg



昨日、ユニを見つけた橋の上に彼女は居た。

沈む夕日の中、佇んでいる。

淡いオレンジの光を受けて、キラキラと輝いて見えた・・・

一瞬、あまりの美しさに見惚れてしまった・・・そして、ソヌの胸は堪らなく痛む。

「ユニ!!」

ソヌの呼ぶ声に、彼女がゆっくりと振り返る。

ユニは、笑っていた。

子供のように無邪気に・・・ソヌに笑顔を向ける。

「ユニ?」

何かを思うより先に、ソヌは駆け出していた。

自分の腕の中からすり抜けていかないように、固くその手を握り締めるために・・・


「ソヌ!」

橋まであと少しなのに・・・そこで、なぜか足が止まってしまう。

さっきまでの笑顔が、いつの間にかユニの顔が消えていた・・・


「ありがとう!」

「・・・・・・」

「あんたに逢えて、良かった!」

「ユニ?」

「あたし・・・いつも男には与えるものだと思ってた・・・いつも奪われたことしかなくて・・・
それなのに・・・」

「あんたからは、いっぱいもらったの・・・」

「ずっと・・・空っぽだったのに・・・今は、あたしのここに詰まってて・・・苦しいぐらい・・・」

ユニは、自分の胸に手を当てて寂しげに笑う。

「死ぬなんて、怖くないと思ってた・・・こんな自分・・・こんな世界、何の未練も無いと思ってた・・・そう、思っていたのよ。未練なんて無かったはずなのに・・・」

「怖いよ・・・怖いの、ソヌ・・・」

「あたし・・・死ぬのが怖いの・・・死にたくなくなっちゃった・・・」

「ユニ?俺と・・・」

「ダメ!それ以上・・・言ってはダメ・・・」

ソヌは、一歩一歩、彼女に向かっていた。

足を進めるたびに、足元から込み上げてくる・・・理由の分からない恐怖に足がすくむ。


あと数歩で、手が届く・・・

(ユニ・・・?)

ソヌは気づいた。

彼女の頬は濡れて・・・涙は、止め処なく溢れていた。


「ありがとう!あんたのおかげで、自分の事が・・・ほんの少しだけど好きになれたの」

「ソヌ・・・」
(これは、恋なの?分からない。ソヌにもう逢えないと思うと、苦しくてたまらないよ・・・)


「ユニ?!」


「ありがとう!」


彼女は、橋の向こうに消えた。

「ユニ!!」

まるで、色を濃くしたオレンジ色の夕日の光の中に溶けていくように・・・

ソヌが必死で伸ばした指は、彼女には届かない・・・


「ユニ!」

橋の欄干から身を乗り出した。

しかし、ユニの姿は何処にも見えない・・・

次の瞬間、ソヌは濁流の中に迷うことなく飛び込んだ・・・



それは、とても寂しそうで・・・そして、極上の笑みだった。

ソヌが、最後に見たユニの姿・・・

ただ、その姿だけを求めて・・・・・・
by chiroparo | 2008-06-17 09:01 | プチ創作「Various ways」

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